そろばん飾りのついた矢立
奥多摩の渓谷にそって、「澤乃井 櫛かんざし美術館」(東京都青梅市)がある。江戸時代から昭和にいたる櫛かんざしのコレクション4000点のうち、常時400点が展示され、季節に合わせた展示換えが行われている。世界的に有名な岡崎智子さんが40年に亘って収集したものだ。技術の粋を集めたこれらの工芸品は、わが国の風土の美しさ、日本人の精神的な豊かさと併せて、先人達の類まれな器用さを端的に示すものとなっている。 展示されているコレクションの中に”変わり矢立て”【注】がある。その中に、そそろばんを飾りした珍しい一品がある。そろばんと何らかの関係ある先達が、そろばんへの思いを込めて特注したものだと思われる。【注】矢立て=筆と墨を簡便に携帯するための文房具。墨つぼに柄がついていて、その中の筒に筆をいれる。
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