忍術学園のそろばん教室
落第忍者乱太郎 作・尼子騒兵衛

そろばんは忍者の必須科目
       
きり丸 えーご破算で願いましては
乱太郎 きり丸、何やってるの?
きり丸 見れば分るだろ、アルバイトの売上計算だよ。
しんべえ そのきり丸の使ってる道具は何なの?
きり丸 ん?これはそろばんだよ。忍たまだったらそろばんくらいできなくちゃ。
土井先生 そうだ。そろばんは忍者の必須科目と言われている。昔から読み・書き・そろばんと言うだろう。
乱太郎 でも先生、計算をするんだったら電卓がありますよ。
土井先生 パソコンや電卓が普及したいまになってまたそろばんが見直されているんだ。
  三人 どうして?
土井先生 じゃあ、今日の授業はそろばんのことを勉強しよう。
 
そろばん上手は暗算上手
       
土井先生 忍者には暗算力は必須だ。例えば石垣の高さや火薬の量 などの計算を一瞬でしなくてはいけない。そろばんを使うことでビックリするほど暗算ができるようになるんだ。
  三人 どういうことなの?
土井先生 まず、そろばんは数を珠に置き換えて一目で分るようになっているから、物の多い少ないや、大きい小さいという感覚、つまり数の概念が身につくんだ。また、そろばんは珠を動かすことで途方もなく大きな数字まで表すことができるので、繰り上がり・繰り下がりが理解しやすい。そろばんの上級者だと何桁もある足し算・引き算だけでなく、割り算・掛け算まであっという間に暗算してしまうというよ。それも、実際にそろばんを使うより速い。
乱太郎 うーん、僕はノートと鉛筆がないととても計算できないな。どうしてそんなことができるの?
土井先生 そろばんを思い浮かべて、頭の中で珠を動かしているからなんだ。だから、数字を読み上げたりつぶやいたりしない。
  三人 へえー。
きり丸 こう言っちゃあなんだけど、俺そろばん三級だぜ。
乱太郎 だからきり丸は計算が得意なんだね。
     
そろばんで右脳開発
       
土井先生 そろばんを頭に思い浮かべるという話をしたね。このように頭にイメージするときの脳の働きは、ふつう計算をするときの脳の働きとは違うんだ。
  三人 ???
土井先生 詳しく言うと、例えば計算をしたり、物事を筋道立てて考えたりするのは左脳の働きで、音楽を聴いたり絵を描いたりするのは右脳の働きといわれている。ところが、最近の研究で、そろばんを頭に思い浮かべた暗算は右脳を使っている事が分かってきたんだ。これは将棋の上級者が手を読むときの頭の働きと同じらしい。
乱太郎 どっちの脳を使っているかなんて、考えたこともなかったな。
しんべえ じゃあ、右脳を使うとどんなことができるの?
土井先生 右脳は感覚脳とも言われている。右脳を使うことで記憶力が増し、頭の回転が速くなるんだ。すばやい判断とひらめきが必要な忍者にはぴったりだね。
しんべえ それならさっそく右脳トレーニングしなくちゃ。
乱太郎 しんべえ、頭の右側を引っ張ってもトレーニングにならないよ・・・。
 
そろばんの効果はたくさん!
       
土井先生 その他にもそろばんの効果はたくさんある。まず、集中力。短い時間で正確な計算をしなくてはならないので自然と集中力が増す。集中力がつくと、算数だけでなく他の教科の成績も上がるぞ。それに、忍耐力。そろばんは繰りかえしの練習と、ちょっとの時間でも続けていくことが大切だから、がまん強くなる。また、ぱちぱちと指を細かく動かすので、手先が器用になるし、体全体の動きをつかさどる大脳の働きを活発にするんだ。つまり、ふだんの勉強やスポーツにも役立つというわけだ。
乱太郎 そうか、他の教科やスポーツにも役立つんだ。
しんべえ それじゃ通知表に「よくできました」が増えるかな。
きり丸 アルバイトにも役立つかもね!
土井先生 そろばんは忍者の必須科目と言うのが分かっただろう。それだけじゃなくそろばんはやればやるほど面 白い。練習すれば上達するし、上達すれば級も上がる。それだけやりがいもあるんだ。だから、そろばんも忍術も大切なのは・・・。
  三人 ガッツだ!


★この内容は、日本珠算連盟が2001年2月7日付けの”朝日小学生新聞”に
珠算広報記事として掲載したもので著作権の関係で転載はできません。
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