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第1回日本珠算連盟そろばん有識者懇談会議事概要
日本珠算連盟は3月23日、都内で「第1回日本珠算連盟そろばん有識者懇談会」を開催した。当日は懇談会委員17名のほか、文部科学省および日本数学協会から2名のオブザーバーを迎え、23名が出席した。
懇談会では、まず出席委員の自己紹介があった後、座長に東北大学の川島隆太教授、座長代理に東海学園大学の深江茂樹教授をそれぞれ選出した。その後、出席委員から順次、そろばん振興に関する提言が発表され、それを受けて懇談を行った。活発な意見交換の後、「そろばん振興を通じて目指すもの〜日本珠算連盟そろばん有識者懇談会アピール〜」(全文は下記)を全会一致で採択した。
また、懇談会終了後行われた記者会見では、川島隆太座長が同懇談会の概要を説明し、記者の質問に答えた。
日本珠算連盟では今後、同アピールを当面の行動計画に反映させ生かしていくことしている。

(懇談会での主な意見は以下のとおり)

1.子供へのそろばん教育


・子供の学力低下が指摘されているが、兵庫県小野市の小中学校では「読み・書き・計算(そろばん)」を毎朝10分程度行うことで、生徒の学力が向上した。市主催の漢字・計算の検定「おの検定」では、小学生の合格率97%という成果を上げ、現在、脳科学の町として売り出している。
・商業高校でそろばん検定を必修にしてはどうか。
・退職後のボランティアとして学校で教えているが、そろばんで数の仕組みを理解し、苦手だった算数が好きになる児童も多い。土曜教室でもそろばん指導をし、喜ばれている。こうした教室は、学外の教育・人間形成の場としても求められているのではないか。
・京都市では平成16年から「みやこ子ども土曜塾」を運営し、そろばんも教えているがニーズは低い。親自身がそろばん離れの世代が多いためだが、親子で一緒に体験してもらうことが大切である。
・幼稚園児から中学生までをターゲットに、珠算と他の基礎教育を組み合わせた放課後のスクールを運営するのはどうか。高齢者向けの講座も併設し、多様な年齢層との交流を通じ人間としての基礎力も養える。
・幼児期からそろばんに親しめるように、そろばんをカラフルな色にするなど形状を改良してはどうか。母親への教育も必要である。

2.教員・保護者への指導

・学校支援のボランティアをしているが、そろばんに触れたことのない若手教員が多い。まず、教員へのそろばん指導が必要である。
・教員に関心を持ってもらうために、教科書のそろばんのページの内容を変えるべきではないか。そのために、学習指導要領をどうするかが重要である。
・子供の教育の前に、親の教育をすべきではないか。玩具でよいから、父母の目に留まるそろばんを幼稚園・小学校に用意しておくとよいのではないか。

3.そろばんの振興策

・そろばんを弾いている時は脳が活発に働いている。子供の教育や生涯学習において、「珠算は脳を鍛える」という文脈で振興に使えるのではないか。基礎・基本がないがしろになされている教育現場へ楔入れる象徴として、「暗算、筆算、そろばん」の3点を実直に行うそろばんは有効であり、教育の基礎にもなるので、応援していきたい。
・1人で行うそろばんは孤独に耐える力をつけ、いじめない・いじめに強い子どもが多い。それを公的機関で実証・分析していただけたら、そろばんの再認識につながるのではないか。
・双葉社から、付録にそろばんを付けた『そろばんでたどる和算の旅』の刊行を予定している。「クレヨンしんちゃん」など、ポビュラーなキャラクターを用いた書籍の刊行も検討できる。
・そろばんをスポーツとして捉え、団体競技として行えたらよい。
・「珠算を世界のビジネスモデルに高める」くらいの志を持ち、その拠点として計算ミュージアムができないかと考える。
・8月8日の「そろばんの日」に、日本珠算連盟が放送局を通してPRを行ってはどうか。

4.その他

・生涯学習の具体的目標として、そろばん等の伝統技能の保護育成を掲げ、例えば「美しい国の日本人」制度認定を文化庁へ働きかけたらどうか。
・インド式算数を取り上げたテレビ番組でコメントを求められたが、そろばんの方が優れている。なぜマスコミは、そろばんの優位性を取り上げないのか。日本人は、外国の文化を日本文化の上に置く傾向がある。
・学習指導要領の見直しをするなか、珠算教育について取り上げるにはその効能を証明する科学的データが必要である。
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